January 24, 2010
医学と芸術
普段であれば、足が遠のく週末の六本木。
六本木ヒルズにある森美術館に、去年からずっと行きたかった「医学と芸術展」にやっと行ってきました。
ダ・ヴィンチの解剖図から、人体をモチーフとした現代アートまで、「身体」をテーマに、
実に様々な作品が展示されていて、2時間ほどかけて一点一点、じっくり観賞しました。
全体に流れている、深いところのテーマとしては「生と死」でしょうか。
アロマを始めてから、アロマそのもの自体はもちろんですが、
広い意味での「生命」や「からだ」「たましい」などに関する学びも増えました。
さらに、西洋医学と東洋医学の画期的な違いについても勉強する機会が増えました。
そういう意味で、この展覧会はとても興味深いものがありました。
西洋の展示品のほとんどが、ダ・ヴィンチの絵に代表されるような、
人体をミニマムに追求した結果の”部品”としての臓器。
なので、からだの部分がバラバラに描かれて、描写も細かい。
それに対して、数は少しでしたが、東洋の展示品は、驚くほどざっくりとした画。
恐らくそれは、東洋医学の基本である、人間を全体的に捉えた結果の描写なのでしょう。
それぞれの臓器は、決して切り離すことができない密接な関係を保ちながら、
全体でひとつの生命を作り上げている。
その関係性を観察し、バランスを取りながら自然治癒力を上げようとするのが東洋医学です。
アロマは東洋医学ではありませんが、着眼点は同じです。
展覧会のいたるところに、「メメント・モリ(=汝、死を忘れるなかれ)」という
言葉が書かれていましたが、死を意識した上で生きるのと、そうでないのとでは、
随分、生き方が変わってくると思います。